DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2008.10.31

第42号 安藤先生と増上寺

安藤先生とは、「美楽」の表紙の打ち合わせをするために、月2回くらい
昼食を取る事にしている。今日は、天気もいいので、増上寺の落葉でも見ながら、団子でも抓もうと・・・。

 日本にある理美容室の数は約30万件。そこで、働く人々は100万人を数える。トピー商事さんとの発案で、なんとかこの”強大なコミュニケーション・スペース”で、気の利いた企画を催そうと言う話になり、久保社長の
ひとつ返事で「お客様のサービスを考える作文コンテスト」を始める事となった。

 安藤先生の”古き良き次代の絵の中に”・・・・・・2枚ほど髪を切ってもらう少年の絵柄を発見。ポスターは、この絵を主人公にデザインさせてもらった。

「先生は、何処の床屋さんですか・・・・・・」
「僕は、自分で切るんですよ」

やはり、安藤先生の哲学は、ほのぼのしているのである。




2008.10.30

第41号 キョードー東京 嵐田会長(銀座)

嵐田会長とは、そろそろ30年近いお付き合いになる。親子ほどもある年の差、人生経験の差、イベントの規模の差、それに”嵐のような時代を駆け抜けてきたエネルギーの差”・・・・・何処をとっても大先輩、いや大先生なのだ。

 しかし、いつお目にかかっても、紳士的で、おだやかな口調。

1994年、福岡ドームでマイケル、マドンナ、ポール・・・・・数々のコンサートを開催していた頃が、まるで昨日の事のようだ。

 乾杯をして、白いワインに氷を入れて、口を濡らすように味っていると
嵐田会長が、精気の溢れる目で、僕を見て

「最近、何か面白いことがありますか?」

まだまだ”世界のイベンター”健在なのである。




2008.10.25

第40号  そごう(ビックカメラ)の閑散

巨人優勝!!というので、旧そごう(読売グループ)ビックカメラは、夜の9時過ぎから「ジャイアンツ優勝セール」。たくさんの売子さんが、大声でチラシを巻きながら、お客さんを呼び込んでいる。

 しかし・・・・・・・ジャイアンツもサブプライム不況には、勝てない。
寂しいくらいに、人もいない。

 僕は、呆然と、原監督のインタビューを聞いていた。

日本一になる日は、祝祭日のデーゲームにしたらいいのに。




2008.10.22

第39号  アバイディング ゴルフクラブ

長嶋一茂さんのお薦めで、千葉県の真ん中にあるアバイディング ゴルフクラブを訪ねた。以前のオーナーが、ファッション関係であったせいか、中世のアイルランドの貴族の別荘を思わせる重厚な煉瓦つくりのクラブハウス。

 今日は、プレーをしないで、裏庭のベンチで本でも読もうかと思った。
デズモンド・ミュアーヘッドの設計したコースは、フェアーウェイでもうねり、グリーンも俗に言うポテトチップスのように波を描いていて、苦労が多く、泣かされる。

 ゆっくりお茶を飲んでいると、20ヤード先のティーグランドから、悲鳴や、野次や、罵倒が聞こえてくる。朝一番から、どうも玉があちこちに飛んでいってしまうようだ。

 やはり9ホールだけ、回ることにした。




2008.10.20

第38号 月刊「美楽」11月号発行

「焚き火」

 枯葉であろうが新聞であろうが、衣服であろうが、極端に言えばタイヤであろうが機械の一部であろうが、すべては煙になるか、灰になるか、水になるか、酸化して眠りにつくはずである。

 枯れ木を集めて、火を焚く。路地からの風に戸惑いながら、時には神経質に、あるときは冬の木枯らしを避けながら頑固に、それなりの煙が天に昇っていくのを眺めていると、自分自身の肉体も、その中にある精神や思い出も、薄らいで消失していく。

 人間は何故、所詮灰になるはずなのに、“もの”ばかり欲しがるのであろうか。





2008.10.13

第37号  愛車入院

やはり外車は手がかかる。日本車では滅多にない事であろうが、突然エンジンがうんともすんとも稼働しない。そう言えば・・・・数日前から風邪のようにガソリン計が満タンにしても、反応しなくなり、残量が判らなくなった。並みの車の修理とは異なり・・・・・英国車は複雑で・・・ついには、大型のレッカー車が現れ、御覧の作業になった。

 まるで、心臓の手術をする前の、人間のようである。悲しいやら、情けないやら、不安な気持ちで、手術室へ向かった。