DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2007.08.09

第2号 チンギス・ハーンの祭り

 何となく”流行風”(トレンド)を感じて、モンゴルのウランバートルへ出掛けた。
 仕事はもちろんのこと、芸術にしてもスポーツにしてもたった一人で実践するよりは専門家やその分野に詳しい経験者が必要である。

 初めはいつものように旅行会社でチケットを購入して、現地で宿を決めるという、いつものフウテン旅行のつもりでいたが、たまたまインターFMの小笠原社長の紹介で、通訳のアンゲル氏と実業家のブヤン氏とウランバートルのチンギス・ハーンホテルで落ち合った。
 皮膚の色も、髪の太さも、眼球の動きも、何の抵抗もない同じ人種である。

 翌朝、アンゲル氏の案内でチンギス・ハーンの生誕800周年記念イベントへ出掛けた。
白骨化した山羊の頭骸骨と、まだ肉片の付いた牛の肋骨と、馬の糞のような土の塊が草原に点々と散らばっている他、生命の命の気配すら感じられない。
 時速15キロで空を泳ぐ羊雲を見ながら、僕は大きく鼻から息を吸ってゴビ砂漠に向かって口笛を吹いた。
 
 「日本では既に絶滅している、神様たちがこの土地には何千人も住み着いている。」