DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2008.01.23

第8号 文化シヤッターの岩部会長のご招待で、『広島県人会』にお邪魔した。

 毎年恒例のことであるが、様々な新年会の中でも楽しみなのが、県人会主催の新年会である。各県自慢のお惣菜や和菓子、酒から織物、変わったところでは写真集など、郷土自慢の土産が、惜しげもなく土産袋の中に入っている。

 この日は、文化シヤッターの岩部会長のご招待で、『広島県人会』にお邪魔したのだが、広島県人といえばお世話になっている方も多く、代々木のCOHJIMクリニックの越智先生や、元テレビ朝日の皇さん、協栄ジム所属の世界フライ級チャンピオン坂田君まで多士済々で、馴染みなのである。
 
 広島県人会は例年2000人以上の参加者で、会場は熱気に溢れかえる。

 ご自分でもそう自慢されているように、鉄腕アトムの”御茶ノ水博士”のような芸術的で、濛々たつ白髪と小気味よく笑顔で人に接する岩部会長は人気者で、どんなパーティ会場の中でも、人が群がっている。
 そんな岩部会長が見つからずに、風邪でも引かれたのかと思ったら、20分程たって気がついた。写真のように今日は、粛々たる面持ちでステージの上のひな壇の最前列に並ばれていたのだ。

 鹿児島県人の私が、壇上に向かって手を振るわけにもいかづ・・・・この夜は”ウインク”をして挨拶もなしで失礼した。

 帰りに楽しみにしていた福引の商品を頂くと、今年の土産袋の中は流行の”エコバック”が入っていた。




2008.01.22

第7号 京都駅裏の「新福菜館 本店」

 MKタクシーの青木社長と月刊『美楽』のデザイン打ち合わせの為出張。京都駅を降りた。東京の寒さとは異なり、寒さが道路の表面から体全体に這い上がって、つくづく骨の中までコツコツ凍えている。

「25分間があるから、何か熱い麺でも食べましょう・・・・」

 CXOパートナーズ社長の齋藤さんとMKタクシーに乗り込んで、運転手さんにご案内頂いたのが「新福菜館 本店ラーメン」だった。

 携帯電話で撮影したので、果たしてこのラーメンのルックスが圧倒的に魅力的で質感といい、色といい、ドスのきいたシンプルさといいうまく表現できているか解らない。
 口にしてみると、想像していたより淡白であっさりして毎日食べても苦にならない程、くどくない。

 チャーハンは、所謂典型的な焼き飯で、器の上でほぼどす黒に近いこげ茶色のライスを見て、一瞬ぎょっとするのだが、一口食べることに後ろ髪を引かれる恋愛のように艶かしい。油とソースのバランスだなぁ。

 齋藤さんと私は、すっかり唇を悩殺され生麺とスープをお土産にしてもらった。

 店を出るときに、思わず足を滑らせそうになった。ラーメンの湯気が、フロアを油っぽく敷きつめて・・・・・
 そう言えば、こんなツルリとした足の裏の感触も、味の証明なのだ。





2008.01.21

第6号 沢田研二コンサートin C.C.Lemonホール

 沢田研二さんのコンサートに招待されて、土、日曜にC.C.Lemonホール(旧渋谷公会堂)へ足を運んだ。
 
 人間は懐かしい音楽を聴くと、その音楽を聴いたときに目にした光景や、一緒に聴いた仲間やそのときの思いや、時によっては食べた食事のメニューまで思い出す。

 沢田研二さんの喉は、超人級で60歳とは思えない逞しさで、あの頃のままに私の耳に飛び込んできた。

 隣の席のローソンの新浪剛史社長も、「ずいぶん高い声が出ますね。それに喉がかれてないし」と、その美声に驚いていた。さらに驚かされたのは、二千人強のコンサートホールがほぼ全員女性。しかも、40歳後半の女性たちがまるでジャニーズのコンサートのように、ステージ上の沢田研二さんに合わせて身振り手振りをしながら、腰を揺らしていたことだ。
 さらにさらに驚かされたのは、沢田研二さんの記憶力である。普通シンガーは、ステージ上に”虎の巻き”のような歌詞が流れるモニター画面を置いて、チョロチョロ歌詞を確認しながら歌う。
 しかし沢田さんはビートルズからローリング・ストーンズ、ビージーズの英語の歌詞から、アンコールで歌った「LOVE(抱きしめたい)」まで完全に暗記していた。一字一句間違いなく。
 やはり、昔の歌手は鍛えられ方が違う。レコーディングの方法も違う。お客様に対するマナーも違う。そしてライブに対する心の持ち方が、真面目なのだ。


 冬の闇が近づいてくる夕方の渋谷を散歩した。さっきコンサート会場にいた妙齢の女性たちのちょうど子供たちの世代が、それぞれ思い思いのスタイルで道玄坂のあたりを闊歩している。一見みると、自由で何一つ不足なく、楽しそうに見えるのだが・・・・・・生きるカルシウムは大丈夫だろうか。
 
 40年後も彼らは元気でいられるのだろうか。今日の沢田研二さんのように。





2008.01.20

第5号 月刊『美楽』2月号発売

『萌土』

 新年早々、私たち庶民には嫌な話だが、我が国の経済は強烈なインフレーションに襲われるであろう。原油、レアメタル(稀少金属)などの天然資源、さらには小麦やとうもろこしなどの穀物類の価格の上昇傾向に歯止めがかからない。中国やインドなど二桁の億を超す大量人口保有国はまだ、工業化の初期段階にすぎず、まるで日本の昭和30年代の様相。従って、これからそれらの国の人々の可処分所得は急増し需要が上がる。こうしてますます資源の枯渇はおろか、やがて地球には食料危機が訪れる。

 日本は今“冬”の扉を開けたところである。この国が、再び春を迎えるとするならば、賑々しい金満的物質主義の“春”ではなく、もっと日本人の心に根ざしたほのかな季節を創りあげることである。
 滋養に富んだ『萌土』を育むためには、まず物質的な豊かさを放棄するところに陽光の訪れがある。それはみんな百も承知しているのだが・・・・・。





2008.01.11

第4号 第33回『経済界大賞』表彰式祝賀パーティ

 新年を迎えると、あちらこちらのホテルで一体全体、何回の新年会が行なわれるのであろう。マスコミ・広告業界だけでも、おそらく100回いやもっとかなぁ。

 前に務めていたリクルートで、マーケティング局に席を置いていた関係で、大手広告代理店から始まり、出版社、テレビ局などの新年会の招待状が今でも十数枚は送られてくる。
 この業界は土日もなく、深夜もなく、広告主と情報を最優先して、働かざるおえない環境である。そののせいか、年若くして亡くなった友人の部下や年相応以上にめっきり老け込んでしまった先輩や、また連夜の接待漬けで肉体の衰えが著しい同年齢の友達と年に一回顔を合わせるのもこの新年会である。
 
 今日は、その中でも多士斎々のゲストで評判の高い、経済界の 
”第33回『経済界大賞』表彰式祝賀パーティ”に足を運んだ。
 
 今年の景気はどんなものだろうか。北京オリンピックという大きなイベントがあるものの、サブプライムショックと米国景気の先細り、加えて原油高、さらには、地球環境を脅かすまでの資源の高騰。さらにさらに、判断の鈍い日本の政治状況などを考えると、全く暗闇の中で明かりを探すような一年となるだろう。

 我が国のメディアも”広告とは何のためにあるべきか”というきちんとした答えを出さざるおえなくなる。ただ、物を売ればいいという時代は、もうとっくのとうに終わったのだ。





2008.01.07

第3号 おけいすしの”黒糖いなり”は☆10個!!

 「おけいすし」の”黒糖いなり”は、生まれてたくさん食べた稲荷寿司の中でも群を抜いて、舌が笑う。歯が驚く。

 COHJINクリニックの越智先生に、お昼ご飯を誘われて久しぶりに”知る人ぞのみが知る”代々木の「おけいすし」をご馳走になった。
 ここのところ「おけいすし」さんには、神様の縁結びで度々お目にかかる。昨年の暮れは、長嶋一茂さんの自宅でテレビ番組の打ち合わせのときに、豪華絢爛の寿司桶で「おけいすし」のほぼ全品目が登場した。

 私は、寿司であれば「久兵衛」から始まり、溜池の「寿司たつ」、銀座の「萩原」、四谷の「松葉」、それはそれは新橋のガード下の立ち食い寿司まで、ともかく目も鼻も口もない。

 その中でも、「おけいすし」の創造力に溢れた寿司の形は、どんなフードエンターテイメントより気品が溢れ、深遠で驚愕と共に安心感がある。その中にあって黒糖を微妙に染み込ませた揚げに包まれた”いなり”は、毎日一度は食したいほどの魅力に満ちている。
 
 朝起きて、歯を磨く前にまず”いなり寿司”。昼、フレンチを頂いた後で、デザート代わりに”いなり寿司”。晩飯に、あったか〜〜〜い番茶と”いなり寿司”。寝る前に、一日を満足で終えるために”いなり寿司”。
 
 何とか日本中の皆さんの口の中にも、滲むようにお届けしたいものだ。

 ただ今、企画中。




2008.01.04

第2号 ノーベル平和賞受賞 アル・ゴア氏

 ノーベル平和賞受賞、アル・ゴア氏(アメリカ元副大統領)の『不都合な真実』という映画や書籍をご覧になった方も多い思うが、この夏、ゴア氏のプロジェクトをスタートさせる予定。
 マルクスやレーニン或いは、毛沢東、レイチェル・カーソン、そしてカール・セイガンまで社会の環境を多角的に分析し発表した人々と同様に、今世紀の地球の分母を環境に置いて、まざまざと私たち日本人にも、この国の行く末を披露してくれるに違いない。

「環境が経済を支配し、環境が政治を創造する」
 
乞うご期待!!





2008.01.02

第1号 芝、増上寺の御神籤(おみくじ)

 友人のVSN・加藤役員と君更津ゴルフリンクスへ初打ちに出かけ、10番のショートホールでなんと”8”も打ってしまった。これはいけない・・・思い出したように、深夜の増上寺にお参りに出かけた。

 正月休みでめっきり都内の車の走行量が少ないせいか、澄んだ空を見上げると天頂に北斗七星が揺れている。僕はどんな風の強い真冬でも、半袖のポロシャツでゴルフ場の北風にさらされても寒くない。夏の間に吸収した太陽熱が皮膚の下に残っているからだ。しかし、この夜はちょっと冷えた。普段の正月ならば、初詣に出遅れた何十人かの参拝客がちらほらいるはずの増上寺に、人っ子一人いない。・・・・化けた鼬(イタチ)が、出てきそう!
 
 花びらはもちろん、葉っぱ一枚残っていない桜の木の下に、たくさんの運勢がユラユラと結びつけられている。しんとした闇の中で白く発色している御神籤(オミクジ)は、強く結ばれているものもあり、結び目が解けて参道の砂利に落ちてしまっているものもある。

 もし今、御神籤を買ったとしたら、今日のゴルフのボールのように僕の人生が”行方知らず”とならないように、神様にお祈りしたい、とお願いしたい。


う〜、あぁ・・・・少し腕が冷えてきた。


桃桜
 花とりどりに咲き出でて
   風長閑なる
     庭の面哉