DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2015.12.31

大晦日、麻布十番の更科蕎麦

 大晦日の夜、久しぶりに格闘技の仕事が入ったので、楽屋に年越しそばを届けようと、朝から麻布十番の更科蕎麦に出向いた。
 まだ準備中である。
 この店は、大晦日の夕方から満席になることは毎年お馴染みのことなので、近所の高校生の手を借りて、数百人分の自宅で年を迎えるためのお土産用の年越しそばを即売をしている。

 それにしても、最近は正月気分がなくなって、大晦日一日で年を送り、元旦一日で年を始める。
 そんなテンポになってきた気がする。




2015.12.25

桜島神がかり

 桜島の空が一日として同じ色や形であったことはない。
 
 司馬遼太郎先生が書いている。
 「この島に、指紋を残した人はいない」

 しかし、この神がかった空をきっと若い日の父が見ていた気がするのは、なぜだろう。




2015.12.21

月刊「美楽」2016年1月号 発刊しました

羽生 結弦(出身:宮城県仙台市)

 戦後、日本人の顔立ちや体型が変わったと言われるが、羽生選手はまさにその典型である。
 8頭身とも10頭身とも思われるその肢体から3回転あるいは4回転ジャンプを惜しげも無く繰り返す。

 彼の今年のテーマは“和”。日本の伝統的な見直しでもあり、世界へのアピールのようにも思われる。
 氷の上のスポーツが、北欧やロシアや北米大陸を圧倒的に凌駕し、この小さな島国の誇りとなっている。





2015.12.15

銀座8丁目のクレパス

 銀座8丁目の行きつけのとんかつ屋に向かっている。

 夜徘徊することが多いので、明るい間に裏道を発見しようとビルの谷間に迷い込んだ。ここに住むネズミたちが楽に通り抜けることができる細い道から、青い空が間延びしたホステスさんの帯のように見えた。
 
 ここは銀座のビルの氷河地帯。

 このクレパスにはまり込んですっかり体を挟まれて、人生を挟まれて、這い上がることができなくなった友人のことを思い出している。




2015.12.01

おみくじインバウンド

 2020年になると、おそらく3000万人をゆうに超えると思う外国人観光客。彼らは北海道の水源から(中国人)、100円ショップ(スペイン人)、ついに神社のおみくじまでお買い物をしてくれる。

 日本にある神社の数は、約3万程度と思われるが、日本市場初めてのこの多国籍化現象には、驚くばかりである。
 ただでさえ足りない通訳が神社にいるはずもなく、ついにこんなおみくじ自販機が現れた。10年後には・・・巫女ロボットがインバウンド市場を担うことになる。