DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2012.10.22

第36号 TMI の遠山友寛先生

 TMIの遠山先生は、簡単にその人柄を語れるような気がするだけに、実は深遠なる弁護士キャリアを歩いてこられたに違いない。
 そのお人柄をあえて簡単に言わせてもらえれば、

「強くて、明るくて、逞しくて、繊細で、情がある」

 この朝も、行きつけのサウナの中で世間話。
 「テレビは本当に軽くて、面白くなくなりましたね」(T)
 「そうですね。テレビが変われば、少しはこの国もよくなりますね」(H) 「大体この政治的な問題は、そこがポイントじゃないんですよね」(T)
 「制作しているディレクターの問題意識がないんじゃないですか」(H)

 この夜、先生の弁護士事務所の近くにあるホテルで“Entertainment/Team Japan”という会合が先生の主催で行われた。この会合の趣旨は月刊「美楽」11月号の3ページ目に御執筆頂いたのだが、要は
“目立つことを何となく避けてしまう「日本人」が主流になってしまい、日本人の文化度が企画商品化してしまった・・・・・”。

 よって、この会合でコンテンツと言われている業界に所属している人が一堂に会し、“もう一度日本人のつまらない文化感を打破するためのエネルギーを結集しよう”という趣旨。
 
 「発起人もいなければ、主催者もいないのが、自然ですよね」(T)
 「・・・・・・・・先生しか出来ないプロデュースですね」(H)

 同じ九州人として、誇りに思う先輩である。




2012.10.08

第35号 浜松町の蘇生

 浜松町の蘇生は、JR山手線の中でも最大の目玉である。
 一日に17万人の乗降客が行き交い、羽田空港も24時間化空港へと向かい、この街は、日本のどの駅よりも国際化された都市になる。

 大門から増上寺へと向かう参道と第一京浜の交差する東南の一角には、この街の住人なら誰もが知る金毘羅うどん屋がある。
 仕事を終えたサラリーマンはまずは、名物の秋田屋の目が開けられないほどのやきとりを焼く煙の中で、数本のもつの串焼きを平らげる。続いて、行きつけの居酒屋で、晩酌セットを2〜3時間ゆっくりとたしなみ、終電の確認を腕時計でチェックした後、残りの数十分で金毘羅うどんを食べにこの店の暖簾をくぐる。
 言ってみれば、この店はこの浜松町に住むサラリーマンたちの一日の最後を締めくくる“締めの店”なのだ。


 この一角に、新しいビルが建造される。名物の金毘羅うどんも三十年近い歴史を閉じることになるようだ。
 創造的破壊なのか、破壊的創造なのか、都市はいつも呼吸をしているが、それが街にとって健全なのか、不健康なのか、誰も検証しない。