DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2012.08.10

第31号 安藤勇寿「少年の日」美術館

 安藤勇寿美術館月刊「美楽」の表紙の打ち合わせで訪ねた。
 出会ったときから何年経っただろうか。安藤美術館の周辺の山も、森も、風も安藤先生も変わらない。
 変わったのは、ほんの少し、夏が暑くなっていることだろうか。

 美術館に入ると、十数点新作の絵がかけられていた。
 今回の新作は、今までの作風と異なり、テーマが明確になっている作品が多く、いずれの絵もいわば日本人の教科書にすべき題材をモチーフにしている。

 先生は、色鉛筆で丹念に絵を仕上げるのであるが、想像してもお分かりの通り、白色を表現するのがとにもかくにも、大変な作業となる。何十もの色を重ねながら、色の科学的な調合を重ねた結果、「白」に至る。
 写真にある絵は、画面いっぱいにからたちの花が咲いている。
 花びらの白を恐れずに表現しようと思い立つ。そのエネルギーは凄まじいものがある。

 先生と森の中で、絵の話をしていると、久しぶりに海を見たくなる。





2012.08.08

第30号 新橋あたりの客引き中国人に、看板で・・・

 新橋あたりの客引き中国人に、看板が立てられている。
 何が書いてあるかというと、どうもこの辺りで客に声をかけて商売をしてはいけない・・・と書いてあるらしい。
 つまり、ポン引き中止の看板である。日本の飲食を含めた娯楽産業の年間消費額は、10兆円とも20兆円とも言われ、特に売春や賭博に関しては現金で取引されるため、正確な数字は定かではない。
 3千円で飲み放題と言われ、アンダーグラウンドな飲み屋に連れて行かれ、30万円を請求され、泣く泣くカードで払ったなどといういわば、犯罪に巻き込まれた人もボチボチ出現している。

 BOPという言葉は、ピラミッドの底・・・という世界経済の所得の構造でもあるが、つまり、ピラミッドの底にあたる年収3万円以内の人口層が、約20億人を締めている。
 新橋の美しい外国人女性に声をかけられ、数千円から数万円の酒を飲み、中には酔った勢いで「※※※」。深夜の春を買う日本人に対しても警告を促さなければこのような看板は、今後増える一方になるだろう。それどころか、やがて北京や上海やアジアのあちらこちらの繁華街で、日本語で書かれたポン引き中止の看板が乱立する時代が来る。