COLUMN:日刊ゲンダイ「数字のホンネ」

 

2007.10.02

日刊ゲンダイ「数字のホンネ」第33号 遅寝早起きの弊害 『日本人の睡眠時間6時間以内41%』

早起きをして朝刊を片手に散歩していると、夜更かし組が帰宅する。昔であればせいぜい徹夜マージャンくらいで、ほとんどの人は健全な睡眠についていたはずのこの国は、今や世界で最も眠らない国となった。

 ちょっと古いデータだが、ACニールセン(2004年インターネット調査)によると、最も睡眠時間が短いのは日本人で、総人口の41%が6時間以内の睡眠時間となっている。残業で帰宅が遅くなるビジネスマンや、TVの深夜番組やネットにはまる若者たちの睡眠は削られる一方だ。

 街も眠らない。コンビニ、ガソリンスタンド、ファミレス、ネットカフェ、サウナなどが、高騰した地代を補うために、こぞって24時間営業している。

 NHKの国民生活調査でも、1960年に8.13時間だった日本人の平均睡眠時間が2005年には7.22時間。この傾向は年々続き、10年には6時間台に突入するといわれている。

 さらにカラダに悪いのは、遅寝早起き傾向だ。12時以降に就寝する人の順位でみると日本は世界で6番目。ちなみに1位はポルトガル、2位台湾、3位は韓国。7時までに起きる国をあげると、1位インドネシア、2位ベトナム、3位がフィリピン。日本は世界8位であるが、両方のベストテンにランクインしているのは日本だけである。つまり12時過ぎに寝て7時までに起きる、というのが今の日本人の平均睡眠パターンといえそうだ。

 この睡眠時間の減少が深夜の犯罪の増加に始まり、子供たちの健全な成長を阻害しているとすると、24時間という営業体制は産業界全体でチェックして見直すべき国家的課題といえる。「深夜国家」といわれる不健康なイメージも至急改善すべきではなかろうか。
国家も人も、「寝る子は育つ」のである。


2007年10月2日号