DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2015.10.11

オアフ島のクラゲ

 オアフ島のクラゲが例年より早く、しかも異常繁殖している。ワイキキのあたりは、厚化粧をした女郎のようなものでこの島の本当の姿はなかなか見せてくれない。

 車で久しぶりに北部のマカハ地区にいる友人の酒屋の主人に会いに行った。日系三世で、剛健な筋肉質の巨人だからこそ、この危険地帯で酒屋を営めている。
 島の北西部の海岸は、台風の影響でどんよりとして波が強く荒れていた。地元のサーファーには、命をかけるにはもってこいのビックウウェーブが押し寄せている。
 「実は、サーフポイントは増えているんですが、クラゲも急に増えましてね。それも、電気クラゲのでかいやつ」
 毛深い太い指で、炭酸水を飲みながら、話してくれた。
 波を見に行こうという話になって、2人で雨まじりの砂浜を歩いていると、以前はほとんど目にしなかったクラゲに注意の看板が目に付いた。
 
 台風24号。日本には珍しい台風で、カリブ海のあたりで発生した雨雲がハワイ諸島の上を通り抜け、日付変更線あたりでその力を増し、直径1400キロもの大きな雨雲の塊になり、日本に向かったそうだ。