DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2012.03.19

第13号 上田正樹LIVE―遠ざかる日本(ふるさと)の歌 by MacGregor Spirit 1897

 遠ざかる日本(ふるさと)の歌 by MacGregor Spirit 1897のライブが盛況のうちに終了。
やはり、上田さんの声は、CDでは、比較にならない位”現場快楽主義”なのだ。

 キャリアの凄さでもあるが、技術的な、本能的なのはマイクとの距離感造り方である。あおの振り絞るような声帯を収縮させながら、声の幅や、太さや、高さにあわせて、ほんの数センチ、数ミリの単位で、マイクをあわせるのには、驚ろいてしまう。自分の声を、美しく届かせるコツを、知っている。

 ある種、上田さんと湧き合いあい、製作してきた曲目だけに、”生の伝言”がどれ位のメッセージ力で、会場をひきつけるかは、胸がしまるほど気になった。苦労と、プロ、熟練者、キャリアー、いろいろ”ねんき”を保険にしても、日本の童謡が、場合によっては、時代遅れかもしれないし、時代はづしカモシレナイし、地震にヒントを得た、僕の思い上がりかもしれないかと、心配で、会場のお客様の表情を考えると、息苦しかった。

 帰りの受付で、涙ぐんだ女性が、CDを購入してくれた。
スポンサーのマグレガーの女子社員であった。
 「いいコンサートでしたね」と言われたので、

 「お客様が良かったんですよ」と、答えた。

 これは、事実である。