DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2011.12.21

第43号 カーコンビニ倶楽部の市川さん・・・岡持ちを置いていってください

 カーコンビニ倶楽部の市川さんが美楽の広告の件で来社。
 市川さんは、いつも浅草のお土産を携えていらっしゃるので、当方も近所の大門の老舗中華屋さんから、出前を注文。
 この中華料理店の「味噌ラーメン」は、食通の男優・高橋秀樹氏を唸らせるほどの、”普通の安心な”味噌ラーメン”との噂。

 昼休みともなると、ビジネスマン相手の露店の弁当屋に、数十メートルの行列が出来るほどの激戦区・浜松町なのである。
 従って、VIPが来社しようがスタッフのみの会議だろうが、いつも11時過ぎに到着する出前が多い。

 「岡持ちを置いていってください」

 僕は、意地張りの合理主義者なので、「岡持ち」を、会議室のテーブルの真ん中に置いてもらい、出前のおじさんには、そのまま帰ってもらう。
 食べ終えた、器やお皿は、そのまんま、しまって、お返しすればよい。
 つまり「岡持ち」は、運搬用のお盆なのである。

 歴史を感じさせる、ジュラルミンの「岡持ち」の蓋を、ギシギシと上にスライドさせると、まるで、ミラノ座の真紅の緞帳(カーテン)が悠々と上がり、オペラ役者が、勢ぞろいしている瞬間の、あの”ときめき”。

 レバニラの匂いが軽く鼻を掠めると、にくい餃子の大蒜(ニンニク)が天井を突き刺し、主役の味噌ラーメンの湯気が、テーブルの上を雲のように覆う。

 「さあさあ、お好きなおかずを、取ってください」

 別名「岡持ち」ブッフェの、昼食が始まる。