DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2009.11.10

第37号 スペースデザインの折鶴

 スペース・デザインの来年の広告を制作中。リーマン・ショック以来すっかり欧米人は日本から退去(・・・・した振りかもしれないが)。高級賃貸マンションは、中国人とインド人さまのみが、以前主たるお客様。本来は、1945年の戦後から”こうでなければ、ならなかったのだが、やっと日本の美徳をモチーフに、広告が展開できる喜びで一杯です。「折鶴」は、手先の器用な日本人が、心をこめて作り上げるサービスの象徴である。

 僕たちの日本は、地球地図の中で、奇妙で微妙な位置にあり、しかも交通手段の不便な時代は、独自の経済と文化と政治と、人格を形成してきた。資本主義なる経済の世界的成長は、やがて、アジア大陸に触手を伸ばし、その過程で、日本は、明治維新なる市場開放を迫られる。その後は、ご存知の通り、数回の戦争に直接参加し誰かの計算通り敗北し、人数以外のありとあらゆる精神的なる物も失いつつある。


 間接的には現在も戦争に参加し、60年前の敗北の、代わりに得た保険金の支払い現金が、今まさに無くなり、生活に困窮の様相が見え隠れし始めた。

「折り鶴」を見ていると、日本人の才能が”悪くない”事に、励まされる。