DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2009.05.20

第15号 安藤勇寿先生とは夕焼け仲間

 安藤勇寿先生とは夕焼け仲間である。7年ほど前、テレビで紹介された安藤先生の美術館の「夕焼けの少年」の絵に惚れ込んだ僕は、すぐに、栃木県佐野市に住む先生を訪ねた。

 それから数年後・・・・よほどの縁があったのだろうか・・・・発行する「美楽」の表紙に、その素晴らしい絵を提供していただいている。

 「僕は、頭の中にある情景を、クレヨンで表現するのです」
栃木訛りの、素朴な先生の話を、穏やかな気持ちで聞いてしまう。

力が抜けているから自然。何かを主張したり、誰かを説得したり、自分を押し出す必要の無い世界の母国語なのである。

 この日は、3周年を迎える「美楽」の打ち合わせと、個展の開催に関する
話で、久し振りに美術館の作品を拝見した。

 表に出ると、雑木林を抜けてくる酸素濃度の濃い風と、初夏の日差しがふわりふわりと遊んでいた。

 僕は、ほっと一息、ため息をついて、
「ゆっくり泊まって、いきたいですよ」と、
 腕の時計を見ていた。