DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2009.03.20

第9号 月刊「美楽」4月号

「ビー玉」

 桜が美しいのは、極めて動物的にその花の命を終えるからであろうか、それとも空の青さが見えなくなるほど、風も雲も、時には地面さえも桜色に染めてしまうからであろうか。或いは、決して朽ち果てることなく、栄華を誇ったままで散ってしまうからであろうか。それとも、私自身が儚い人の命を感じるからであろうか。


 永遠に続くものなどこの世にあるはずがないのに、私たちは美しく散ることを忘れて呼吸している。