DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2009.01.20

第4回 「美楽」2月号

『飛ばしっこ』
 山を切り崩し、工場を造り、木を倒し、花を摘み取り、団地を作り、すべての道を車が走りやすいようにコンクリートで固め、流れる川をせき止め、ダムを造り、海を埋め立て、コンビナートを造り、子どもたちは簡単にトイレさえも行けなくなった。
 都会では、廃墟の跡や地上げ途中の空き地以外、キャッチボールをする場所すら見当たらない。まかり間違って、小学生が立ちしょんべんをしようものなら、ものの何秒でストレスの溜まった大人たちに叱られる。

 「伸び伸びとした子どもたち」を育てることが、国家全体の創造力を高めることに繋がるのは当たり前なのに、今の子どもたちは可哀相なほど怯えている。