2008.04.17
第19号 月刊「美楽」5月号発行
『舞芽』
液晶テレビから、携帯電話まで大手家電メーカーの事業の撤退が相次いでいる。消費者の変化への対応の遅れや、短期的に成熟した市場に、無防備に集中し過当競争が行われていることが原因である。
21世紀を過ぎて、ほとんどの企業が生産性の向上のためにリストラを行ったが、日々変化、減少縮小していく市場に対応するのが、精一杯の状態でもある。ヒット商品を誕生させても、ほんの一年で終わる。
生き残りサバイバルレースは、中長期的な視点を無視して、近視眼的に利益を追求すればするほど、我々消費者には必需ではない付録的な、邪悪な商品が配列する。
今年の春は、人間や地球に“百年後も貢献するような商品”は、発芽したのであろうか。
日本の美しい庭は、その芽が舞うこともなく、夥しく腐敗した食品偽造問題や、詐欺的な商品のニュースばかりに埋もれているような気がしてならない。