DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2008.02.01

第9回 東京慈恵会医科大学会附属病院 頴川晋先生

 頴川晋先生を月刊『美楽』4月号の取材で尋ねた。慈恵医大病院の本館4階にあるフロアは、国会図書館を思わせる木質の重厚な歴史を感じさせるアカデミックな空気。教授室の重たい扉をノックすると、一日中、辞書を開いても飽きないような雑念を感じさせない部屋だった。

 頴川先生には、主に泌尿器と泌尿器に関する機能や病気のお話を伺った。驚いたことに、一般的に泌尿器と言うと主に尿に関係した臓器と思われがちだが、男性は睾丸から女性の尿管まで含まれ、特に男性の生殖器は様々なトラブルを起こしがちだとの話。

 この取材の段取りをしてくれた慈恵医大、広報室の高橋さんはリクルートの後輩でもあり、月刊『美楽』の大変な後継者でもある。
 一週間前に頴川先生と高橋さんと下打ち合わせを兼ねて、小金井CCでゴルフを楽しんだのであるが、特に頴川先生のショットは、取材のときの知的で静謐な雰囲気とは異なり、全身の筋肉を使ったパワフルなドライバー・ショットを打つ。

 「先生の人生の”美学”はなんですか」
と聞くと、
 「・・・・うぅううん、難しいですね。。。”孤高”ですかね。」
と静かに笑った。

 確かに日本人は、いつも相対的にしか物を見られなくなってる。外国との比較、他の会社との比較、他の街との比較、同級生との比較、隣人との比較・・・・・・それだからこそ、もっとも比較しやすいお金や物ばかりが人生の基軸のように思えている人ばかりになってしまった。

 頴川先生には、月刊「美楽」の執筆者としても加わって欲しい、と思った。自信のある人は、いつも孤独で楽しい時間が流れている。