DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2005.05.07

第7号「石和の駅」

友人のフェルドマンさんの別荘に招かれて、早朝の「あずさ7号」で石和温泉に向かった。

中央線は肉体で言うと、心臓に向かって深深と走る静脈のような路線。
神奈川、山梨、長野と徐々に列島の最深部に向かい潜るように山間を縫って走る。
車窓から“森の精”が入り込んできて、乗客を何処か神聖な気分にさせてくれる。

残雪を僅かに残した南アルプス連峰が見え始めた頃、葡萄や桃の果樹園が線路の左右に拡がり、小さな農家が散在するのが、なんとも心を和ませてくれる。

8号車には連休中にも関わらず、客が僕一人しか乗車してない。
孤独で、静寂であることが、最高のバケーションである。