DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2005.04.28

第5号「渡さんは自転車に乗って天国に出かけた」

「小金井公会堂で追悼コンサートなんて先輩らしいですね」久しぶりに乗り込んだ中央線の窓に、30年前と同じように自分の顔を映している。
少しも変わってないなぁ?
ここ数年、思想も文化も哲学も感じない最近の僕の生活?
昔の仲間がステージで唄うのを、舞台の袖でそっと見ていた。
アンコールの曲が終わるとステージ中央に掲げてあった高田渡さんの遺影が、吊り上げられて・・・天国に昇っていった。
「やぁ久し振り・・・」てな感じで楽屋に行くのも気が引ける。
かといって、このまま帰るには、なんとなく中途半端な気分。
ファンが出て行くのを待って、舞台の最前列に飾ってある高田渡さんの写真に近づいた。
たくさんの花と日本酒の向こうに、“自分のサイズどおりに生きいく事に徹した渡さん”が在る。