DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2003.08.15

8月15日(金)夕焼け総合研究所の顧問をお願いしていた福田勝一氏(元警視総監)が他界された(写真参照)。


 奥様が洗い立ての白いオープン・シャツにうっすらとかいた汗を、ゆっくりと扇子で扇ぎながら、ホテルの玄関に向かって飄々と歩いてこられるのを僕は懐かしく思い出している。

「僕は、世渡りがへたな、ただの素浪人ですから」

 福田先生に、初めてお目にかかった最初の一言が、何度も何度も鮮明に耳の奥でエコーしている。(いいなぁ・・・・・お年寄りって)

「先生、今晩は先生の分も合わせて、二人分の茶蕎麦を頂きますので」
「どうぞどうぞ、私は少食ですから」

・・・鼻声っぽい先生のそんな声が、聞こえた気がした。


 本当は、今日、昼食を取りながら、ゆっくり先生とお話をする予定であった。
 この夏の増上寺は涼しくて、木陰の下をゆっくり二人で散歩だって、出来たのに・・・・・・。