DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2003.04.03

4月3日(木)青山のF化粧品に通販番組を提案する機会があって午前中から女性の顔や化粧品の事ばかり考えている。(写真参照)

 なぜ女性は化粧をするのだろうか?

“いつの時代も女性は綺麗になりたいから”などという行為から生まれる結果を単に受け入れるのでは、市場の分析が必要な僕の仕事には中途半端な結果になりかねないので苦労している。


 女性が鏡を前に、化粧をする態勢を作る時、そこには“ある心のパワー”が動き出すのではないだろうか?
 それは、男とは無関係な女性独自の社会構成の変化や、変化する時代の背景にある女性の歴史などの、“女性のチカラ”の発露の加減を、それぞれの個人(女性)がどう自分を表現していくのか?どうもここに答えがあるのではなかろうか?


・・・・・・とすれば今の時代の化粧品ほど・・・・元気になりたい女性に
支持される商品。元気になりたい女性を応援するブランドが要求されている時代はかつて無かっただろう。


 美しさの根源はいつも「健康な状態」から始まる。

変化のない日常の生活にメリハリを付けるための変身願望や、“勝負の日“彼氏に決心させたいために“渇”を入れる為、などの内面の個に向かっていくものや、例えば何処かの国の女性政治家の下手なスピーチを彩る“赤いルージュ”や社会的ステイタスを意識したPTAのお母さんの“濃くて長い眉”のような外面の集に重点を置いたものであったとしても、其処には“気力”が働いている。


 車や衣類、時計、料理などと同様に化粧品も、ご多分に漏れず“金があったら、これがほしい”という希望レベルのマーケット・ニーズは海外産のブランド物が仕切っている。しかし戦後のコスメ市場をリードし、独占してきた資生堂、カネボウ、コーセーなどの大手の実際の業績は、ここのところ新規参入組に押され気味、戦国時代の様相を呈している。


 プレゼンを終えて、T社長の横顔を眺めている。われわれのプロジェクトに対して全面的に信頼を置いてくれている。この夏から。僕が応援する新しいF社の商品は、決してこの戦争に負けられない。


 それは、生まれてからずっと女性の元気から“運とツキ”をもらってきた僕の人生の恩返しでもある。