DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2003.02.18

2月18日(火)東京プリンスの3階にある、「ボン・セジュール」で伊勢海老をつつきながらバルコニーの向こうの東京タワーを眺めている。陽気が上向いてきたせいか、早咲きのスミレが黄色い花をつけ始めている。

 どこから来たのかグレーと白の横縞の水鳥がはしゃぎまわって、池の淵にある石膏色の水がめから時折、水飛沫が上がる。昼からワインを飲むなんて何年振りのことだろう。アルバムの写真の打ち合わせをしている内に、ご機嫌になり、ほろ酔い加減だ。


 部屋に帰ると、2時間ほど転寝をしてしまった。いつの間にかヒーターの温度を28度に設定してしまったので、目が覚めたらおでこと背中にぐっしょり汗を掻いていた。


 窓のカーテンを開けると、振りそうで降らない灰色の空の下に、春を迎えるには中途半端な桜並木が、小さな蕾をつけながら増上寺の西門の方に続いている。もう3週間もすると、この部屋の窓からピンクに染まった桜満開の芝公園を眺めることが出来るだろう。