DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2001.07.20

日航アリビラから船を出して、残波岬のみえる沖合いでイカ釣りをしている。

日航アリビラから船を出して、残波岬のみえる沖合いでイカ釣りをしている。

東京を始め、日本列島を猛暑が被い、例年並なのはここ沖縄だけのようだ。入道雲は、坊さんの歌のような高層雲を、誰かがその形になぞらえてネーミングしたものだが、東シナ海の今日の雲は、まるでティッシュペーパーのように薄く、形にならない雲が、ゆっくりと日本海の方に流れている。

傍らの祖祖父は、趣味でイカ釣りの名人だったらしく、松の木を削り、エビの形そっくりにして、ガラス製の眼を取り付け、それをルアーにして釣っていた。それぞれのエビ(ルアー)には、「半月」「十五夜」など、良く釣れた夜の月の名前を付けていて、それが鹿児島の実家の倉庫に何百も残っている。

いわゆる小麦色に焼けた少年が、透色度70%の海に飛び込んで、”ヒトデ”を取ってきてくれた。

イカは皿に飾られた状態を想像する方が多いいと思うが、船の上からは、まるで黒い藻のように見える。それがルアーを狙ってすばやく左右に揺れながら船を追いかける。しかも頭脳的。一度危険を察すると、グループはしばらく船の周りには近づかない。

小麦色の船頭と、残波岬の磯釣り仲間の話をしているうちに、体全体が軽い火傷。今夜は水風呂になりそうだ。