COLUMN:日刊ゲンダイ「数字のホンネ」

 

2008.06.16

日刊ゲンダイ「数字のホンネ」第64号 現代のフクロウ族が求めるサービス 『深夜営業店・週1回以上利用13.7%』

 ひと昔前は深夜族とかフクロウ族とかいって、深夜に起きている人は珍しい人種であったが、時代は様変わりである。マイボイスコムがウェブ上で行った調査(サンプル数1万4350人)によると、深夜(午後10時〜翌朝5時)に24時間営業店を週1回以上利用する人が13.7%もいた。
日本の人口に照らし合わせると、約1500万人が深夜に、週1回以上コンビニやその他の深夜営業店に出向いていることになる。

 原油高の折、水道・光熱費が軒並み上り、郊外型のレストランや一部のコンビニでは24時間営業を廃止する動きも出てきた。とはいっても、相変わらず深夜に活動している人たちにとっては、24時間営業店は必要なのであろう。

 さらにほぼ毎日、深夜営業店を利用する人が1.5%いるところをみると、ざっと200万人近い人が深夜活動派ともいえる。

 さて、深夜に利用する理由は「購入したいものがある」「仕事帰り」「外出のついで」など、通り道にある店を利用する人が多いようだ。また1割の人が答えた「なんとなく」という理由も、なんとなく分かる気がする。孤独なのかもしれない。

 深夜に閉まっていて困ったケースでは、1位が「薬局・ドラッグストア」2位が「ATM」と続く。要は薬と現金の必要に迫られるケースが圧倒的に多いということだ。

 今後、利用してみたいと思う深夜営業店とは、1位「薬局」、2位が「コンビニ」、3位が「病院」、4位が「銀行窓口・ATM」、5位が「郵便局窓口・ATM」、6位が書店、以下、銭湯、映画館、レンタルビデオなどと続く。エンタメ系の施設やアミューズメント施設への深夜ニーズがさほどない。この結果にほっとするのは、現代のフクロウ族がさほど遊興に染まっていないことであろう。

 一方で、深夜には利用しないという正統派は42.4%も存在している。
原油高や犯罪多発、人件費高騰といった現状からすると、24時間営業は見直され、最低限の必要なサービスしか残らなくなるのではないか。


2008年6月17日号